台風30号 11月15日~11月16日

台風から1週間、被災者が直面する現実 フィリピン 

CNN.co.jp 11月15日(金)15時21分配信

フィリピン・タクロバン(CNN) 台風30号(ハイエン)がフィリピンを直撃してから15日で1週間がたった。自分の腕から波にさらわれた子どもの死を嘆く母親、自殺も考えたという父親、被災地にとどまって生活を立て直そうとする親子――。200万人を超す被災者は、悲惨な現実と向き合うことを迫られている。

1週間前まで自宅があった場所で、食器を拾って洗い続ける女性がいた。夫と6人の子どもをなくし、子どものうち3人は遺体が見つかった。誰も助けに来てくれないと女性は言い、「私の子どもたちが腐っていく」とつぶやいた。

別の場所では救援トラックが食料を配ったり、がれきを片付けたりする作業が進む。遺体は探しに来た家族が見つけられるよう、並べて安置されていた。

フィリピン政府によると、15日朝までに確認された死者は全土で2360人に増え、負傷者は3850人以上、行方不明者は少なくとも77人に上る。

 しかし最も大きな被害が出ているレイテ島のタクロバンだけでも、死者は数千人に達する可能性が指摘されている。現在の最優先課題は、食糧援助を必要とする200万人強を含め、被災者に援助を行き渡らせることにある。

14日には米空母ジョージワシントンが8隻の船舶を伴って到着。5500人の人員と航空機80機で、到達困難だった地域への救援物資配布や捜索救助活動に当たる。

タクロバンの町はがれきの間から腐臭が漂い、空港の周りには長蛇の列。避難所となった市のコンベンションセンターには初めてコメが届いた。しかし次の食事がいつになるかは分からない。

治安の悪化も救援活動の妨げになっている。国営フィリピン通信は議員の話として、女性を狙ったレイプなどの犯罪や、刑務所から脱走した受刑者による犯罪が報告されていると伝えた。民家からの略奪も横行するなど、状況の悪化を訴える声もある。

 空港には各国からの援助物資が積み上げられているが、道路はがれきでふさがれ、通信は途絶えたまま。フィリピン内務相は、「電力も明かりも水も通信手段も何もない。27万5000人の社会インフラと物理インフラを構築しなければならない」と話す。

タクロバンで母とおば、9人のいとこを失った少年は、頭上を飛ぶ飛行機を見て、自分もこの町から出たいと父親に訴えた。しかし父親は、「お金がない」と首を横に振った。

別の男性は、波にさらわれていった家族の姿が目に焼き付いて離れないと打ち明ける。「最初に末娘が溺れた。それから妻が。助けようとしたが見失った」。この1週間は、自ら命を絶つことも考えたという。しかし、まだ自分を必要とする子どもが1人いるという思いが男性を支えている。

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<フィリピン>レイテで被災の日本人「この世の地獄感じた」
毎日新聞 11月15日(金)21時55分配信

 【パロ(フィリピン中部)袴田貴行】台風30号で壊滅的な被害を受けたフィリピン・レイテ島パロ町で、自宅が大波にのまれて首まで水につかり、奇跡的に命を取り留めた竹内正勝さん(75)が15日、がれきの山となった自宅跡で毎日新聞の取材に応じた。

水没した自宅の窓枠にしがみつき、根元から折れたヤシの木が空高く舞うのを見ながら、「この世の地獄と感じた」という。

 竹内さんは東京・向島出身。23年前、レイテ島の中心都市タクロバンの隣町パロへ移住し、妻ルチェールさん(42)と共に美容室を経営してきた。

 台風が直撃する前日の7日、友人の日本人男性から避難を勧められたが、妻と「台風はいつものことなので、大丈夫だろう」と話し合い、海から約50メートルの自宅で一夜を明かした。

異変が起きたのは、8日午前7時ごろ。聞いたことのないごう音と共に、くるぶしまで浸水したと思うと、次の瞬間には1階の天井まで水につかっていた。

妻と子ども2人、メイドの計4人を急いで天井裏へ避難させると、そこはもう重みで崩落寸前だった。

 やむなく立ち泳ぎをしながら水面に顔を出し、窓枠にしがみついた。ぼうぜんと外を眺めると、電柱やヤシの木が空高く舞い上がり、そのまま宙へ消えていった。

傍らでは、直径30センチはあるヤシの幹が自宅の壁を突き破り、すぐ横をすり抜けていく。6歳の時、荒川の土手から眺めた東京大空襲の光景が不意に脳裏をよぎった。

 嵐が去り、約2時間後には水が膝下まで引いた。友人の妻が車と徒歩で5時間かけて駆けつけ、家族全員を救助してくれた。

 家族も含めけがはなかったが、自宅と店は全半壊し、23年間フィリピンで築き上げた財産を失った。妻らはマニラの実家に避難し、自分はパロの日本人の友人宅に身を寄せる。

「いつ死んでもいいと思って生きてきたので恐怖や悲しみはないが、ただ神の怒りを感じている」。険しい顔でつぶやいた。

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台風30号で壊滅的被害のタクロバン、徐々に秩序戻る
AFP=時事 11月16日(土)8時46分配信

【AFP=時事】フィリピン中部を襲った台風30号(アジア名:ハイエン、Haiyan)の被災地では15日、救援活動が本格化し始め、警官隊の配備も進んで略奪も抑制されつつあり、厳しい状況の中で被災者が暴力に走るのではないかという懸念は薄れてきている。

 数日前には壊滅的な被害を受けた街から逃れようという群衆が押し寄せて航空機の座席を争ったレイテ(Leyte)州タクロバン(Tacloban)の空港は、少なくとも表面的には秩序が回復した。

 同空港の復旧支援のため12日に沖縄から飛来した米空軍第320特殊戦術飛行中隊(320th Special Tactics Squadron)のJon Shamess大尉は「事態はわれわれが到着した時からずいぶん変わった。

この間までは飛行機が着陸するなり、皆がわれも乗ろうと走り寄って来て、極めて危険な状況だった」 と語った。まだ数千人が必死に脱出しようとしているが、大半は辛抱強く順番を待っている。

 フィリピン国家警察の報道官によると、15日には首都マニラ(Manila)から空路到着した増援も加わり、タクロバンに配置された警察官は約1200人に増えた。

同報道官はAFPに対し、「ある程度の略奪はあったが、今はくい止められている。引き続き治安状況には警戒しているが、活動の中心を防犯から救援活動支援に切り替えつつある」

 タクロバンでは11日夜から厳しい夜間外出外出禁止令が実施されている。 【翻訳編集】 AFPBB News

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台風死者3631人と比政府 国連は「4千人超」を撤回
朝日新聞デジタル 11月16日(土)10時40分配信

 【ニューヨーク=春日芳晃】フィリピン政府の15日夜の発表によると、台風30号による死者は3631人、行方不明は1179人に上った。
 
一方、14日に「死者が4460人に上った」と発表した国連人道問題調整事務所(OCHA)は15日、人道支援を担当するジョン・ギング局長が会見し、「フィリピンの防衛担当者に聞いた推計値だった」として数字を撤回し、謝罪した。

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フィリピン台風 7人に1人被災 国際支援の拡大急務
産経新聞 11月16日(土)15時18分配信

 【セブ(フィリピン中部)=吉村英輝】国連人道問題調整室(OCHA)は16日までに、フィリピン中部に甚大な被害を与えた台風30号の被災者が、1290万人にのぼると発表した。

フィリピン政府発表の資料などから推計した。フィリピンの人口は約9400万人で、被災者は全国民の約7人に1人に相当することになる。避難生活をしている人も190万人で、国際的な支援の拡大が急務となっている。

 日本の自衛隊は16日、セブ島にいた医療チーム20人のうち十数人をレイテ島タクロバンに移動させ、飛行場周辺で被災者への治療活動を展開する。

 また、日本の国際緊急援助隊の医療チームも同日、タクロバン中心部に設営した診察所で前日に引き続き被災者らの治療活動を継続した。

 被害が集中しているタクロバンでは当初、道路が寸断され治安状況も悪化したため救援活動が難航したが、空母を派遣した米国を中心に、各国の支援態勢が整い始めている。

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