ウクライナ情勢 9月15日~9月17日 東部へ特別自治権

ウクライナ情勢 9月15日~9月17日 東部へ特別自治権

 

 

ウクライナ>東部、戦闘員なお銃構え すぐ隣に「戦争」

毎日新聞 9月15日(月)8時0分配信

 【ドネツクウクライナ東部)真野森作】ウクライナ政府軍と親露派武装勢力の間の停戦が続く東部ドネツクでは、14日も断続的に砲声が響いた。物流や生活インフラなどは保たれているが、住民は戦闘再開の恐怖にさいなまれている。

【写真特集で見る】砲撃で大破したドネツクの街

 ドンドンドンドン--。13日午後、ドネツク駅で取材中、連続する砲声がとどろいた。「この音はグラート」。地元紙のヤナ・トカチェンコ記者が即座に聞き分けた。

 グラートは、ロシア語で「あられ」を意味する名前の多連装ロケットランチャー。周囲の人々は不安そうな表情を浮かべたが、慣れてしまったのか避難に急ぐ姿は少なかった。

 停戦後、トロリーバス路面電車の運行が復活し、服飾店や雑貨店など一部の商店も営業を再開。街をそぞろ歩きする家族連れや若いカップルの姿もあった。スーパーには豊富に商品が並び、大幅な値上がりは起きていない。

 だが、交通の要所には小銃を構えた親露派戦闘員が立ち、戦車や装甲車がごう音を上げて走り去る。住宅街にも親露派の基地が点在し「戦争」は今も市民のすぐ隣にある。

 空港から約4キロの集合住宅に住む写真記者、イリーナ・ゴルバショワさん(54)は7月下旬、砲撃による隣人一家4人の死を目の当たりにした。「ウクライナを連邦化し、東部でロシア語を公用語化すればこんなことにはならなかったのに」とため息をついた。

 一方、地元出身で林業が本職という親露派戦闘員、ミハイル・デレザボイさん(43)は「ウクライナ軍が去れば全て良くなる。我々の国家『ノボロシア』(新ロシア)は近く独立を達成するだろう」と語った。

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ウクライナ軍兵士73人が解放 ドネツクでは砲撃音響く

CNN.co.jp 9月15日(月)10時19分配信

(CNN)

 ウクライナのポロシェンコ大統領によると、同国東部のドネツクで14日、親ロシア派武装勢力によって拘束されていたウクライナ軍兵士73人が解放された。

ウクライナ政府と親ロシア派の間では今月初めに停戦合意が成立したが、ドネツクではこの日も戦闘が発生し、断続的に砲撃音が響いた。地元当局者は「危機的な状況だ」と語った。

ポロシェンコ大統領はドイツのメルケル首相との会談で、停戦が破られているとの懸念を表明した。大統領府によると、両首脳は平和解決に向けてさらに努力するとの立場で一致した。

一方、ロシアのラブロフ外相は13日、国内テレビ局とのインタビューで、停戦合意はほぼ守られているとの認識を示し、同国としては長期的和平を目指す用意があると述べた。

タス通信が伝えたインタビューの内容によると、同外相は「双方で散発的な戦闘は続いているが、持続的な和平確立への動きは今も進行中だ」と強調した。

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ウクライナ東部で激しい戦闘、揺らぐ停戦

AFP=時事 9月15日(月)8時43分配信

【AFP=時事】ウクライナ東部の親ロシア派武装勢力の拠点ドネツク(Donetsk)周辺で14日、激しい戦闘が勃発した。9日目を迎えた政府軍と親露派との停戦崩壊の懸念が高まっている。

【写真5枚】激戦の最中に身を隠す記者ら

 AFP記者らによると、ドネツクの上空には大きな濃い黒煙の雲が立ちのぼり、砲撃音と自動銃の発射音が終日響き渡った。

 

ドネツク市当局は、民間人の死傷者が出ていると語り、市内は「危機的」状況にあると述べたが、それ以上の情報は伝えていない。

 ウクライナ政府は、親露派がウクライナ東部の政府軍拠点に対する攻勢を強め、停戦を脅かしていると非難している。14日の戦闘はドネツク空港付近に集中しているもよう。ウクライナ軍は、同空港で12日に親露派による攻撃があったものの、撃退したと述べている。

 親露派武装勢力と政府軍は停戦協定に従い14日にも最新の捕虜数十人の交換を行ったが、親露派はウクライナ政府の部隊が自分たちに対し発砲を続け協定に違反していると主張している。

 一方のロシアは13日、水と電気の供給が数週間にわたり滞っている親露派掌握下のルガンスク(Lugansk)に援助物資を運ぶためとして、220台のトラックをウクライナに送り込んだ。

 

ウクライナ政府はトラックの越境許可を出しておらず、これら車両が親露派勢力への支援物資を運んでいる可能性に対する懸念を表明している。【翻訳編集】 AFPBB News

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ウクライナ議会選へ比例名簿=愛国訴え、兵士やクリミア先住民も

時事通信 9月15日(月)7時1分配信

 【モスクワ時事】ウクライナ最高会議(議会、定数450、任期5年)選挙を10月26日に控え、主要各党は14日、それぞれ党大会を開いて比例代表名簿を公表、選挙運動が本格化した。ポロシェンコ大統領の決定に伴う解散総選挙で、大統領の政権基盤強化につながるとみられている。

 ロシアによる3月の南部クリミア半島編入や、4月の東部の親ロシア派武装蜂起に見舞われる中、有権者愛国心に訴えた選挙となる。ヤヌコビッチ前政権を支えた親ロ派政党が参加せず、親欧州連合(EU)派の共闘による圧勝が確実だが、親EU派内の権力闘争も活発化しそうだ。

 大統領に近い親EU派議員が集まる新党「ポロシェンコ・ブロック」は、元ボクシング世界王者のクリチコキエフ市長率いる政党「ウダル」と共闘。比例代表名簿の1位にクリチコ氏、5位にロシア編入後の南部クリミア半島から追放された先住民族タタール系指導者ジェミレフ氏が掲載された。

 ティモシェンコ元首相の親EU政党「祖国」は、ロシア当局に拘束中の女性兵士サフチェンコ氏が1位。親ロ派の前政権下で収監生活を送った元首相ならではの「目玉」で、愛国心を頼りに衰えた党勢回復を目指す。祖国からはヤツェニュク首相ら主要閣僚が離脱し、新党「人民戦線」をつくった。

 一方、親ロ派政党では、前政権与党・地域党が選挙不参加を表明。連立を組んだ共産党は、クリミアや東部の親ロ派の分離主義に協力した疑いで捜査を受け、活動自体が危ぶまれている。

9月5日の停戦合意後も攻撃を続ける親ロ派は、5月の大統領選時と同様、棄権・妨害に回る見通しだ。

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ウクライナ西部で合同軍事演習=危機後初、NATO参加―ロシアは反発

時事通信 9月15日(月)22時9分配信

 【モスクワ時事】ウクライナ東部情勢が緊迫する中、西部リビウ州で15日、米国を含む北大西洋条約機構NATO)加盟国などがウクライナと合同軍事演習「ラピッド・トライデント」を開始した。演習は26日まで。

 親ロシア派のヤヌコビッチ前政権時代から実施してきた年次演習だが、ロシアによる南部クリミア半島編入などウクライナ危機後では初めて。親欧州連合(EU)派のポロシェンコ政権は、NATOとの協力路線を鮮明にしている。

 演習には、米英独やカナダなど計15カ国の約1200人が参加。うち米国は欧州軍の約200人を派遣し、ヘリコプターも投入する。NATO非加盟の旧ソ連構成国ではウクライナのほか、グルジアモルドバが加わった。

 8~10日に黒海で実施されたウクライナと米国などの海上合同軍事演習「シー・ブリーズ」に続くもので、NATOの東方拡大を嫌うロシアの反発は必至だ。この時の演習ではカナダ軍艦の上空をロシア軍機が旋回し、緊張が走った。

 ロシアは4、5両日のNATO首脳会議にウクライナが参加し、武器供給問題などが話し合われたことを警戒。プーチン大統領は10日、軍事ドクトリンの改定を命令し、NATOの動きを強くけん制している。

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プーチン政権与党が勝利=編入後のクリミアでも―ロシア地方選

時事通信 9月15日(月)19時24分配信

 【モスクワ時事】14日投票のロシア統一地方選は即日開票され、選管が15日発表した中間結果によると、直接投票の30連邦構成主体(地方自治体)の首長選で、プーチン政権与党系の現職候補が「無風」で当選を決めた。

 3月にロシアに編入されたウクライナ南部クリミア半島の2連邦構成主体でも、事実上の大統領任命制の首長選のほか、地方議会選を初めて実施。プーチン政権与党が得票率約70%で圧勝した。投票率は約45%。

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避難か帰還か、ウクライナ・ロシア国境に列成す避難民

AFP=時事 9月16日(火)11時34分配信

【AFP=時事】ウクライナと親ロシア派とが数か月にわたって激しい戦闘を繰り広げたウクライナ東部では現在、数千人のウクライナ人が東部ルガンスク(Lugansk)の町へとつながるロシア国境のIzvaryneの検問所に日々詰め掛けている──。

ウクライナ東部で激しい戦闘、揺らぐ停戦

 この検問所は、ウクライナの親ロシア派武装勢力が5月に独立を宣言した「ルガンスク人民共和国(Lugansk People's Republic、LPR)」とロシアとの境界線上にあり、LPR側にはロシア側へと向かう多くの車が列を成している。

 そのうちの一台に乗るサーシャさんは、家族と一緒にロシアへと避難している最中だと語る。「空爆から逃げているんだ。ウクライナ軍は罪のない民間人を殺している。みんな逃げたよ」。住んでいた村の大部分は戦闘により破壊されたとしており、しばらくはロシアに滞在する予定だと述べた。

 一方、この2か月間、ロシアで夫や子供たちと過ごしていたオルガさんは、逆にLPR側に向かう人々のうちのひとりだ。「私たちはクラスノドン(Krasnodon)の町に向かっている。そこはいま平和だから」。

 それでもLPRの将来には一抹の不安を覚えるという。事実上、反政府勢力の支配下にあるLPRは、今後、国際社会から容認される可能性が低いからだ。

 

「でも私たちに何ができるというの? 情勢が改善して、落ち着いて働けるように、子供たちが学校に行けるようになってほしい。でも情勢が悪化したら、私たちはおそらくまたロシアに戻るわ」とため息交じりに語った。

 親ロシア派武装勢力によれば、ウクライナ政府と親ロシア派の停戦合意以降、この国境を越える人は、1日に7000~8000人に上る。戦闘が激化していた6月と7月には、1日最大1万人を数えたという。

 停戦後、状況が比較的落ち着いたことから、多くの住民がウクライナ東部に戻ってきている。しかし「移動疲れ」を理由に戻ってくる者も少なくないようだ。

 

現在は、ロシアに向かう人より、ウクライナ東部に戻ってくる人の方が多い。

 国連(UN)の発表によると、ウクライナ国内で避難民となっている人は少なくとも26万人に上る。また26万人がロシアに避難しているという。【翻訳編集】 AFPBB News

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カバエワさん議員辞職=親プーチンのメディア総帥に―ロシア

時事通信 9月16日(火)6時11分配信

 【モスクワ時事】アテネ五輪金メダリストのロシア元新体操女王で下院議員のアリーナ・カバエワさん(31)が15日、議員辞職を申し出たことが分かった。タス通信などが伝えた。

 元ソ連政府機関紙イズベスチヤや政府系テレビ・第1チャンネルなどを傘下に収める親プーチン政権のナショナル・メディア・グループ総帥に就任するという。

 カバエワさんはプーチン政権与党から2007年初当選し、11年再選。プーチン大統領とはリュドミラ夫人の離婚報道と並行し、親密な関係がうわさされた。今回の辞職後の去就も、新体操スクール主宰説を含めて一時臆測を呼んだ。

 カバエワさんは未婚だが、既に子供がいると指摘される。子供の父親が誰かは明らかにされていない。

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<クリミア議会選>プーチン与党圧勝…ウクライナなど反発

毎日新聞 9月16日(火)12時8分配信

 【シンフェロポリウクライナ南部)田中洋之】

ロシアが編入したウクライナ南部クリミアで14日にロシア統一地方選として実施された「クリミア共和国」の議会選は、15日までの開票でプーチン政権与党「統一ロシア」が定数75のうち70議席を獲得し、圧勝した。

 

ロシア黒海艦隊の基地があるクリミア南西部セバストポリ市の議会選も、統一ロシアが定数24のうち22議席を得た。

 

3月にクリミア編入を強行したプーチン政権への支持を裏付けた形だが、ウクライナ政府や欧米諸国は「ロシア占領下での非合法な選挙で認められない」と批判している。

 クリミア議会選で統一ロシア比例区で70%を得票し、20の小選挙区でも議席を独占した。定数の残る5議席は極右・ロシア自民党が得た。

 

ただ投票率は53%で、ロシア編入を9割以上が支持した3月の住民投票時の81%を下回り、編入時の「熱気」が冷めていることをうかがわせた。

 クリミア議会は10月上旬、プーチン大統領が指名する3候補の中から共和国トップの首長を選出するが、親ロシア派指導者で統一ロシア比例名簿1位のアクショーノフ氏(現首長代行)の首長就任が確実視されている。

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東部地方選、12月に=大統領提出の法案採択―ウクライナ

時事通信 9月16日(火)18時37分配信

 【モスクワ時事】ウクライナのポロシェンコ大統領は16日、親ロシア派が支配する東部に「特別な地位」を認め、12月7日に地方選を実施する法案を最高会議(議会)に提出し、最高会議は法案を採択した。

 法案は3年間の時限立法で、4月に武装蜂起した親ロ派に恩赦を認め、ロシア系住民にロシア語を使用する権利を付与。地方選を経て、東部に▽司法・捜査▽社会保障・経済活動▽予算執行―などの権限を移譲する。

 ポロシェンコ大統領はこれまで「(ロシアが提案する)連邦制導入や(親ロ派が主張する)分離独立には応じられない」と強調。東部はウクライナ領という一線は譲らず、高度な自治権を認める考えを表明していた。

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ウクライナ、東部親露派に「限定的自治権」付与

AFP=時事 9月16日(火)20時22分配信

【AFP=時事】ウクライナ議会は16日、同国からの分離を主張する親ロシア派が掌握している東部地域に「限定的な自治権」を認める法案を採択した。

 

また、この5か月間に及ぶ武力衝突に関し、ウクライナ軍兵士と親露派の戦闘員の双方に恩赦を与える法案も採択している。

避難か帰還か、ウクライナ・ロシア国境に列成す避難民

 これらの法案はウクライナ、ロシア、親露派などによる5日の停戦合意の際に持ち上がっていたもので、ペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領自らが草案をまとめた。

 

今週18日の訪米へ向けて大きな政治的成果を手にした同大統領は「主権と領土の一体性、わが国の独立」をすべて保障しつつ、危機から脱出する最善策だと自信を示した。

 同法案には、ウクライナ東部に独立した警察権と司法権が認められること、さらには12月7日に地方選を実施し、新たな議会を設置することも盛り込まれている。【翻訳編集】 AFPBB News

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EU連合協定を批准=危機のウクライナ、加盟に一歩―ロシア圧力でFTA発効延期

時事通信 9月16日(火)19時36分配信

 【モスクワ時事】ウクライナ最高会議(議会)は16日、欧州連合(EU)と政治・経済関係を強化する「連合協定」を批准した。欧州議会も同時に批准し、協定は締結された。南部クリミア半島のロシア編入や東部の親ロシア派武装蜂起で国家的危機にあるウクライナは悲願のEU加盟に向け、大きな一歩を踏み出す。

 批准法案は15日、親EU派のポロシェンコ大統領が最高会議に提出していた。大統領は批准法案の署名に際して「最高会議は1991年の独立宣言当時を強く想起させる雰囲気だ」と喜びを語った。

 連合協定はEUとの自由貿易協定(FTA)が柱。政治部分は3月、FTAを含む経済部分は6月に署名された。しかし、ウクライナと経済関係の深いロシアが、自国への影響を懸念して内容の修正を要求。批准直前の12日、11月予定のFTA発効を2015年末まで延期することで妥協が成立した。

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ウクライナ>停戦後も戦時体制続く 政府側拠点マリウポリ

毎日新聞 9月17日(水)1時10分配信

 政府軍と親露派武装勢力の停戦が続くウクライナ東部ドネツク州で、政府側の拠点となっている南部マリウポリに14日、入った。

 

人口約40万人の工業港湾都市であり、5日の停戦合意まで、ロシア軍と一体化した親露派武装集団の侵攻が迫った最前線の要衝だ。

 

停戦後、街はいったん平穏を取り戻したが、人々は次の攻撃に備えて守備を強化しており、戦時に近い状況だ。【マリウポリウクライナ東部)で真野森作】

【写真特集】マリウポリの風景

 親露派支配下の州都ドネツクから南へ約100キロ。車で約2時間走るとマリウポリに着いた。通りにはウクライナ国旗が掲げられ、「マリウポリウクライナ!」と書かれた大看板や防空壕(ごう)の案内表示が目につく。政府軍と反ロシア派義勇兵部隊の軍用車両が頻繁に街を行き交っていた。

 軍を支援する民間組織「マリウポリ防衛本部」のロマン・ソコロフ代表代行(33)によると、5日夜の停戦直後に市郊外へ親露派の砲撃があり、市民はパニック状態になった。列車やバスで脱出する人が相次ぎ、食料品店や現金自動受払機に長い行列ができたという。

 その後、砲撃はやみ、情勢が安定した。「東方には今もロシア軍がいる。侵入を防ぐため、ボランティアも参加し、ざんごう掘りなど守備の努力が続いている」とソコロフさんは語る。戦車や大砲など軍備も増強されたという。

 街は5月まで親露派側に占拠されていた。市民の3割は親露派支持との見方もあり、その思いはさまざまだ。

 地元の沿アゾフ国立技術大学に通うドミトリーさん(20)は「砲声は本当に恐ろしかった。戦争も過激思想も無い国になってほしい」と語り、ウクライナ西部を中心に根強い反露民族主義への警戒感を示した。

 

工場労働者のアンドレイさんは「現政権と親露派のどっちが良いかなんて分からない。マフィアとマフィアの戦いだ」と吐き捨てるように話した。

 一方、家族5人でドネツクから避難してきた会社員、ガリーナさん(40)は「ウクライナ国民だからこちらへ来た。ドネツクも含め統一されたウクライナであるべきだ」と語った。

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<クリミア編入>急速に進むロシア化…18日で半年

毎日新聞 9月17日(水)19時37分配信

 【シンフェロポリウクライナ南部)田中洋之】ウクライナ南部クリミア半島がロシアに編入されてから18日で半年。

 

国際社会の批判をよそに、クリミアでは社会のロシア化が急速に進み、プーチン政権が取り組む実効支配強化の影でウクライナ色は消えつつある。

 「年金は月5万3000ルーブル(約14万8000円)で半年前の倍。暮らし向きは良くなった」。クリミアの中心都市シンフェロポリ市で議員を16年務めたロシア系のイワン・ジトニュクさん(63)は話した。

 

市役所で働く妻イーラさん(46)の給料も3万ルーブル(約8万3000円)と1.5倍になり、収入増という編入時の「公約」は守られたと感じている。

 アナトリー・ロゴフ副市長は、ウクライナ本土からの供給減のため食料品などの一部で10~20%値上がりしているが、「市民生活への影響はない」と断言する。

ガソリン代はロシアからの供給で1リットルあたり34ルーブル(約95円)と25%近く下がった。

 ロシア連邦移民局によると、クリミア住民の98%にあたる197万人がロシアのパスポートを取得した。ロシア国籍を拒否したのは3500人にとどまるという。

 

ただ、編入後にクリミアを離れる少数派のウクライナ系やクリミア・タタール系住民は多く、ウクライナ政府は1万7000人に上ると発表した。

 通貨はウクライナのフリブナが想定より早く姿を消し、ルーブルに一本化された。青と黄色のウクライナ国旗も自動車のナンバープレートに見かける程度で、年内にはロシアのナンバーへの切り替えが終わる予定だ。

 

9月の新学期からロシアの教育制度が導入され、ウクライナの歴史は授業内容から外れた。

 「ロシア編入のプロセスは不可逆的となった」。「クリミア共和国」のアクショーノフ首長代行は14日にロシア統一地方選として実施された議会選を受け、こう語った。

 

選挙で圧勝したプーチン政権与党「統一ロシア」に投票したアレクサンドル・エルミシンさん(61)は「クリミアがウクライナ東部のような内戦にならなかったのはロシアに編入されたおかげ」と話した。

 一方、クリミアへの観光客は制裁の影響で昨年の500万人から300万人に減る見通しで、主力の観光産業に影響が出ている。ウクライナ本土に8割を依存する電力の供給もたびたび停止し、各地で停電が頻発。

 

ウクライナから切り離されたクリミアは半島から島になった」。住民の間ではこんな冗談が聞かれる。

 クリミア東端のケルチ海峡では今月初めに架橋が着工され、2018年末までにロシア本土との一体化が実現する。

 

クリミア共和国の来年度予算は支出740億ルーブル(約2000億円)に対し収入はその4分の1で、赤字分はロシア連邦補助金で賄われる。クリミアは社会や財政の面で巨大なロシアにのみ込まれつつあるようだ。

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ウクライナ東部2州に大幅な自治 3年限定、議会可決

産経新聞 9月17日(水)7時55分配信

 【モスクワ=遠藤良介】ウクライナ東部の紛争をめぐり、同国最高会議(議会、定数450)は16日、東部ドネツク、ルガンスク両州の特定地域に、3年間に限って大幅な自治権を付与する法案を賛成多数で可決した。

 

独自の「民警」を持つ権限を与えるほか、12月7日に地方首長や議会の選挙を行うことなどを定めている。

 

同国政権と親露派武装勢力の和平合意に盛り込まれていた東部の「特別な地位」を具体化するもので、親露派が受け入れるかが当面の焦点となる。

 法案には他に、(1)地元検察と裁判所の人事への関与(2)ロシア語を使用する権利の尊重(3)ロシアの自治体との関係強化(4)復興に向けた特別措置の導入-といった内容が盛り込まれた。

 

適用範囲となる「特定地域」は2州の州都など親露派の支配領域を指すとみられる。法案は大統領の署名を経て近く発効する見通しだ。

 ポロシェンコ氏は、法案の定めた3年間で懸案の地方分権改革を進め、東部情勢の長期的な正常化につなげたい考えだ。

 

ただ、親露派の幹部はあくまでも東部の「独立」を追求する構えを崩しておらず、現状が固定化される懸念も強い。

 一方、最高会議は16日、欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)を柱とする連合協定を批准する法案も可決し、ポロシェンコ氏は即日署名した。

 

EUとウクライナは12日、ロシアの反発に配慮し、FTAの発効を来年末まで延期することに合意している。

  (ヤフーニュース ヨーロッパからです)

 

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